略奪懸念の住民らが避難拒否、銃を構え自警も オレゴンの山火事
(CNN) 山火事の発生で広範な避難指示が出ているオレゴン州北西部のクラカマス郡で、略奪を恐れる複数の住民が銃を構え、見慣れない車を止めて自主的に検問している。郡保安局は不測の事態を懸念して、こうした行為をやめるよう呼び掛けている。
クラカマス郡のロバーツ保安局長は13日の記者会見で、「銃を向けて通行を妨げることは違法行為だ」と指摘。何人かにはすでに注意したと述べ、「過剰反応による行動が不測の事態を招くことだけは避けたい」と強調した。外部から入ってくる人の多くは、避難先から家財道具を取りに戻る住民だという。
ロバーツ氏によると、郡内では山火事の発生以来、不審人物の通報が通常の5倍に増えたが、逮捕に至った例は少数にとどまっている。逮捕者の数や容疑は公表されていない。
同郡では11日の時点で5件の山火事が続き、大半の住民が避難指示の対象となっている。だが対象地域の一部住民は「略奪犯は撃たれる」などと書いた看板を立て、自宅を守るためとしてとどまっている。
郡当局の内部でも、略奪や放火の情報をめぐって意見の対立が起きている。
現場の警官から、極左グループ「アンティファ」のメンバーらがチェーンソーで電柱を倒し、火災を広げようとしているとの報告があったとされるが、真偽を疑う声も上がっている。