ギンズバーグ判事たたえる決議、文言巡る対立で可決できず 米上院
ワシントン(CNN) 米上院は22日、先日死去したギンズバーグ連邦最高裁判事をたたえる決議案について審議したものの、文言をめぐる与野党の対立から合意に至らなかった。空席となった最高裁判事の職をめぐり上院の分断が深まっていることが浮き彫りになった。
上院民主党トップのシューマー院内総務は今回、ギンズバーグ氏をたたえる決議を全会一致で可決しようとした際、次期大統領が就任するまで同氏の後任は据えないとの文言を盛り込んだ。
シューマー氏は上院本会議で、ギンズバーグ氏が死の床で述べたとされる「私の最も強い願いは、新しい大統領の就任まで後任を置かれないことだ」との言葉に言及。共和党側が示した決議案ではこの遺志を無視していたため、当初の文言はそのままにギンズバーグ氏の言葉を付け加えたと明らかにした。
シューマー氏はこの決議案を全会一致で採択するよう求めたものの、共和党のクルーズ上院議員が反対。理由として、シューマー氏が超党派の決議案を「党派的な決議案」に変えたと批判した。
ギンズバーグ氏が死の直前に述べたとされる言葉については、「もちろん標準的ではない」「憲法上、司法府のメンバーが自らの後任を指名することは認められない」との見方を示した。
ギンズバーグ氏は18日、膵臓(すいぞう)がんによる合併症のため死去した。国内が追悼ムードに包まれる一方、上院では最高裁の将来をめぐる政治的な攻防が激しさを増している。上院共和党トップのマコネル院内総務は、トランプ氏が指名する候補を上院で採決にかけると表明。トランプ氏は26日に候補を発表するとしている。