バイデン陣営、トランプ氏の納税報道受け攻勢 「労働者対エリート」強調
(CNN) トランプ米大統領が就任前の10年間にわたり連邦所得税を納めていなかったとの報道を受け、野党・民主党の大統領候補、バイデン前副大統領の陣営はただちに攻勢をかけ、動画の配信や選挙ステッカーの発表に動いた。
米紙ニューヨーク・タイムズは27日、トランプ大統領が2000年からの15年間のうち10年間は所得税を納めていなかったと報道。大統領選で当選した16年と就任当初の17年に納付した連邦所得税も、それぞれ750ドル(現在の為替相場で約7万9000円)にとどまっていたと伝えた。
これを受け、陣営の草の根組織のツイッターアカウントには30秒の動画が投稿され、バイデン氏の公式ページもこれをリツイートした。動画は静かな音楽をバックに教師などさまざまな職業の納税額を示す内容で、映像に添えられた文章では「教師の納税額は7239ドル、消防士は5283ドル、看護師は1万216ドル」「ドナルド・トランプは750ドル」としている。
バイデン陣営は27日夜、ウェブサイト上で「私はドナルド・トランプより多くの所得税を納めた」と書かれたステッカーも発表した。
バイデン氏本人は今のところ反応していないものの、陣営のケート・ベディングフィールド選対副部長はCNNの番組で、タイムズ紙の報道は選挙戦が「パークアベニュー対スクラントンの戦い」であることを改めて示したと指摘した。
スクラトンはペンシルベニア州にあるバイデン氏の出身地で、ブルーカラー労働者を象徴。パークアベニューは少数の富裕層が住むニューヨークの一帯を指す。陣営は選挙戦を労働者階級とエリートの戦いと位置付ける情報発信を強化した形だ。