トランプ氏、ホワイトハウスで演説 感染判明後初の対面イベント
(CNN) トランプ米大統領は10日、ホワイトハウスで、新型コロナウイルス感染症の診断を受けてから初となる対面形式のイベントを開き、「法と秩序」をテーマに演説した。
トランプ氏は演説で、左派が権力を握れば法執行機関への攻撃が始まると主張。野党・民主党の大統領候補、バイデン前副大統領は緊急通報体制への予算を打ち切り、犯罪の通報も医療従事者に応答させるつもりだと、根拠のない説を展開した。さらに、左派は警察から武器と予算、権威を取り上げようとしているなどと脅しをかけた。
CNNの事実確認データベースでも繰り返し指摘されているように、バイデン氏は警察予算の削減案に対し、繰り返し明確に反対の立場を示してきた。地域社会での警察業務に向けた連邦予算の拡大も提案している。
トランプ氏は法と秩序をテーマにしながら、右翼の憎悪集団や反政府過激集団が活動を活発化させている問題には言及しなかった。
この日のイベントは黒人や中南米系の支持者が主な対象とされ、黒人有権者らに民主党からの離脱を呼び掛ける保守系団体のメンバーらも出席していた。しかし、トランプ氏の演説は郊外に住む白人を対象としたもののようで、新型ウイルス感染症の犠牲者が黒人や中南米系で特に多いことに配慮する姿勢もみられなかった。専門家からは、感染のホットスポットになっているホワイトハウスに高リスクのグループを招いたこと自体が大問題だと指摘する声も上がっている。
トランプ氏は米国が新型ウイルスに「打ち勝つ」と宣言し、ワクチンもすぐにできると主張。自身の体調は「絶好調だ」と述べ、大規模な選挙集会を再開する構えを示した。今後1週間のうちにフロリダ、ペンシルベニア、アイオワ各州で集会を予定している。