米国の1日の死者1100人超す 31州で感染者増、州兵動員も
(CNN) 保健当局が対応に忙殺されて感染の可能性がある濃厚接触者に連絡できず、新型コロナウイルス感染拡大が制御できない――。米ノースダコタ州でそんな事態が現実に起きている。米国では同州を含む31州で、過去1週間に確認された新規の症例数が前の週より増加した。
感染の連鎖を断ち切るためには接触者追跡が欠かせない。しかしノースダコタ州衛生局はこのほど、新規の症例数が急増したために接触者追跡が追い付かなくなって遅れが生じ、「まだ調査員に割り当てられていない陽性症例の未処理分」がたまっていることを明らかにした。
「今後は濃厚接触者に公衆衛生当局から通知することはしない。陽性者に対し、自ら濃厚接触者に知らせるよう指示する」としている。
ノースダコタ州兵は兵士50人を、濃厚接触者との接触から陽性者への通知に異動させた。
米国では危惧されていた通り、秋になって感染者が急増する事態が起こりつつある。屋内での人との交流や学校での集団感染、コロナ疲れが感染を加速させる。
米ジョンズ・ホプキンス大学によると、21日に報告された死者は1100人を超え、1日の死者としては約1カ月ぶりの多さとなった。
31州ではこの1週間に報告された新規の症例数が、その前の週より10%以上増えている。適正な方向に向かっているのはハワイ州のみ。残る18州は横ばいで推移している。
飲食店などが定員いっぱいの営業を再開し、マスク着用も義務付けられていないフロリダ州では、22日に報告された新規の症例数が、この2カ月あまりで最も多い5557例を記録した。