米大統領選の陰謀説否定の国土安全保障省幹部、トランプ氏が解任
(CNN) 米国のトランプ大統領は17日、国土安全保障省のサイバーセキュリティー対策責任者だったクリス・クレブス氏の解任をツイッターを通じて発表した。クレブス氏は、大統領選挙で不正投票が横行したというトランプ氏の主張を退けていた。
クレブス氏は、同省サイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁(CISA)長官を務めていた。今回の解任は、「いかなる投票システムも、票の消去や喪失、書き換え、あるいは改ざんの証拠は一切ない」と断言したクレブス氏の発言に直接関係している。
トランプ大統領は、「2020選挙の安全対策に関するクリス・クレブスの発言は、多大な不正や詐欺があったという点で、著しく不正確だった」と述べ、選挙に関する根拠のない陰謀説を列挙。「従ってクリス・クレブスを即刻解任した」とツイートした。
複数の関係者によると、クレブス氏自身は解任されることを予想していたという。
選挙前のクレブス氏は、郵便投票の不正に関するトランプ大統領の誤った主張に対して静かに反論することもあったが、トランプ大統領に対する批判は手控えていた。
しかしやがて、トランプ大統領の主張や陰謀説に関するファクトチェックの投稿を定期的にツイートするようになった。
クレブス氏はCISAの初代長官として、国土安全保障省のサイバーセキュリティー対策を刷新した手腕を高く評価されていた。
ファクトチェックの投稿は解任される直前まで続き、17日には選挙システムが不正操作されたという主張について「事実無根、あるいは技術的な一貫性を欠く」とツイートしていた。