新型コロナ変異種、既に米国に到達か 専門家が見解
(CNN) 英国で確認された新型コロナウイルスの新しい変異種を調べている米国の研究者が、変異種は米国にも11月中旬に到達し、既に多数が感染している可能性が大きいとする見解を明らかにした。
アリゾナ大学生態学・進化生物学部のマイケル・ウォロビー学部長は、米国でも恐らく数百人が感染していると推定し、「何度も複数の場所で到達している可能性が極めて大きい」とした。
フレッド・ハッチンソンがん研究所のトレバー・ベッドフォード准教授は「ロンドンを離れる感染旅行者の数を想像してほしい。それは指数関数的に増加している」と指摘する。
英国の専門家によると、新しい変異種が最初に見つかったのはロンドン南東部のケントで9月20日に確認された症例だった。
両氏とも、英国の変異種と一致するものがあるかどうか確認するため、米国の新型コロナウイルスの遺伝子配列を調べているが、これまでのところ、一致するものは見つかっていない。しかしそれは米国の監視システムでとらえることができていないためだと両氏は推測する。
米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長も22日、「既に来ていると仮定する必要がある。確かに主流株ではないが、既に来ていたとしても驚かない」と語った。
米疾病対策センター(CDC)のウェブサイトに22日に掲載された情報によると、米国の配列解析ではまだ英国の変異種は見つかっていない。ただし、CDCが集計した米国内の症例約1700万例のうち、配列解析を行ったのは約5万1000例と0.5%にも満たない。
CDCは「米国の感染のごく一部しか配列解析を行っていないことを前提とすると、変異種は検出されないまま既に米国に存在している可能性がある」としている。