コロナ禍で医学部志望が激増、「ファウチ氏効果」も 米
(CNN) 米国医科大学協会は26日までに、来年の新学期に合わせた大学医学部などへの入学願書件数が前年比で18%の激増を示したと明らかにした。
例年は約1~3%増で、今回の伸び幅は最高記録だった。同協会の学務担当幹部は前例のない増加率とし、これら医科学校の一部の選抜試験担当部門は7~28%増を報告したと明かした。
受験者の大幅な増加を「ファウチ(氏)効果」と呼ぶ関係者も一部いる。ファウチ氏は米国立アレルギー感染症研究所の所長で、米政府の新型コロナウイルス予防策を担う中心人物の1人。
米国内のコロナ禍を封じ込める最前線に立つ人物としてメディアにも再三登場し、フィギュアやキャンディーなども登場する知名度を得た。
同幹部はただ、今回の受験者の大幅な増加の背景には他の要因もあると推測。今年の新型コロナの感染爆発で医療従事者や日常生活の維持に励む職務の従事者の存在感が強まり、医師がもたらす高尚な使命感が印象づけられた可能性があるとも説明した。
また、教育現場でのオンライン授業への転換や雇用市場の先行きへの不安感が国民に学校へ戻ることを促したことも考えられるとした。
米国では今後数十年の間、医師が数千人規模で減少するとも予想されている。同幹部は高齢化社会の到来もあり病気を抱える患者が増えるとし、ベビーブーマー世代が引退の年齢に近づいているとも述べた。