トランプ米政権、キューバをテロ支援国家に再指定 次期政権の妨げにも
(CNN) 米国務省のポンペオ長官は11日、キューバをテロ支援国家に指定したと発表した。オバマ前政権による指定解除を覆す判断で、間もなく就任予定のバイデン次期大統領が目指す関係改善の妨げになる可能性もある。
ポンペオ長官はキューバをテロ支援国家に指定した理由について、「国際テロ行為を繰り返し支援し、テロリストをかくまった」と強調。オバマ前大統領が2015年に指定を解除した際の約束を守らなかったとして非難した。
20日に大統領に就任予定のバイデン氏は、オバマ前大統領の政策を引き継いで、冷戦時代の敵国だったキューバとの関係改善を図ると表明していた。
米国は現在、イラン、北朝鮮、シリアの3カ国をテロ支援国家に指定している。スーダンについてはイスラエルとの国交正常化を受けて指定を解除した。
ポンペオ長官は「何十年もの間、キューバ政府は殺人犯や爆弾製造犯、乗っ取り犯を養い、かくまい、医療を提供してきた。その間も多くのキューバ国民が飢え、住む家を失い、基本的な医療を受けられずにいる」と主張。「キューバはまた、司法当局に手配されたり政治的暴力の罪で有罪を宣告されたりした米国の逃亡犯数人をかくまっている」とした。キューバがテロ攻撃を支援したことを裏付ける証拠は示していない。
キューバのロドリゲス外相は11日、「米国が発表した偽善的で皮肉なキューバのテロ支援国家指定を非難する。この行動の政治的日和見主義は、悲惨なテロとその犠牲者について真摯(しんし)に懸念している全ての人によって認識される」とツイートした。