消防隊長をワクチン盗んだ疑いで逮捕、母親のためと供述 米フロリダ州
(CNN) 米フロリダ州の消防救助隊の隊長だった男が、隊員のために支給された新型コロナウイルスワクチンを盗んだとして当局に出頭し、逮捕された。
逮捕されたのはポーク郡消防救助隊隊長だったアンソニー・ダミアーノ容疑者。高齢の母に接種する目的で、モデルナ製のワクチンが入った注射器3本を盗んだとして27日に出頭し、窃盗などの容疑で逮捕された。現在は保釈されている。
今回の事件で逮捕されたのはダミアーノ容疑者が2人目だった。数日前には救急医療隊員のジョシュア・コロン容疑者が、ワクチン審査・同意書の偽造に関与したとして逮捕され、当局が窃盗との関係を調べていた。
コロン容疑者は2020年、地元で「今年の救急医療隊員」に選ばれたこともある。隊員に接種するためのワクチンは今月6日に受け取っていた。
コロン容疑者は調べに対し、ダミアーノ容疑者から自分の母親に接種したいと「冗談」を言われ、「破棄」したと報告すればいいと持ち掛けられたと供述している。
ワクチンの提供を拒むと、ダミアーノ容疑者から「コロンが職務外でワクチンを売っていると上司に告げる」と脅されたとコロン容疑者は主張。ダミアーノ隊長の地位を理由に怖くなり、ダミアーノ容疑者から休憩を取るよう指示されて戻ってみると、冷凍庫から3回分のワクチンがなくなっていたと供述している。
このためコロン容疑者はなくなったワクチンについての架空話をでっち上げ、書類を偽造したとされる。
2回分のワクチンはその後、ダミアーノ容疑者の車の中から見つかったが、既に効力を失った状態だった。
ダミアーノ容疑者の母親は事情聴取に対し、息子は自分のワクチン接種を助けようとしていたと話している。
ダミアーノ容疑者は出頭前に退職し、コロン容疑者も退職した。