郵便投票批判のトランプ氏、フロリダ州の地元選挙で郵便投票用紙を請求
(CNN) 昨年11月の大統領選挙で郵便投票を批判していた米国のトランプ前大統領(共和党)が、フロリダ州の地元自治体の選挙を前に郵便投票用紙を要求していたことが、同州パームビーチ郡の記録で明らかになった。
パームビーチ郡選管当局のウェブサイトに掲載された記録によると、投票用紙は今月5日にトランプ大統領の邸宅がある「マール・ア・ ラーゴ」に郵送された。トランプ大統領は2019年から同地を居住地としている。
トランプ前大統領とメラニア夫人は、昨年8月に行われたフロリダ州の予備選でも郵便投票用紙を請求していた。
トランプ氏は昨年11月の大統領選挙を前に、郵便投票は不正の温床で、外国による選挙干渉の格好の標的になると主張していた。実際には、郵便投票が不正に結びつくことを裏付ける証拠はない。まれに不正があっても、選挙制度に広範に及ぶ問題ではなく、各州は不正を防止する制度や手続きを講じている。
トランプ氏は公の場での発言とは裏腹に、フロリダ州の投票制度は安全だと強調。昨年のツイートで「郵便投票だろうが不在者投票だろうが、フロリダの選挙制度は安全で確実だ」と述べていた。
発言の矛盾を指摘されると、知事が共和党の州で以前から存在する郵便投票は安全だが、民主党知事の州で新型コロナウイルス対策で郵便投票を拡大した場合は安全ではないとする認識をうかがわせていた。