化粧品の潜在的有害成分PFAS、禁止求める法案を米上下両院に提出
(CNN) ファンデーションやマスカラといった化粧品の成分に含まれる有害な有機フッ素化合物(PFAS)をめぐり、米上下両院で15日、化粧品へのPFAS添加を禁止するよう求める法案が提出された。これに先立ち発表された研究結果では、米国とカナダで販売された化粧品231品目の52%で高濃度のPFASが検出されていた。
15日の科学誌に発表された論文によると、特に高濃度のPFASが検出された化粧品は、ファンデーション(63%)、ウォータープルーフマスカラ(82%)、落ちにくい口紅(62%)など。
さらに、検査対象とした商品の約88%は、米食品医薬品局(FDA)によって表示が義務付けられているにもかかわらず、こうした化学物質について説明するはずの成分表示がラベルに記載されていなかった。
法案は共和党や民主党の議員が提出した。スーザン・コリンズ上院議員(共和党)は、「米国民は、自分の髪や肌に塗る商品の安全性を信じることができなければならない。さらなるPFASにさらされる事態から国民を守るため、FDAに対し、これ以上のPFAS添加を禁じるよう求める」との声明を発表した。
PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)は、PFOA、PFOS、GenXなどを含む人工的な化学物質で、時間の経過とともに体内に蓄積され、がんや甲状腺疾患、肝臓障害、生殖能力の低下、ホルモンの乱れなどとの関係が指摘されている。
デビー・ディンジェル下院議員(民主党)は「こうした化学物質は私たちが毎日使う製品に含まれている。ほとんどの人は、自分の顔を毎日のように危険にさらしていることさえ知らない」と訴えた。
法案ではFDAに対し、化粧品にPFASを意図的に添加することを禁じる規制案を、法律の制定から270日以内に提案するよう求めている。最終的な規制はその後90日以内に発表される。