結婚の事実忘れたアルツハイマー病の男性、妻と再び恋に落ちる
リサさんは「調べて初めて、この病気が我々の生活に深刻な影響を及ぼし、私の夫を取り上げてしまうのだと知った」と語る。
生涯2人の間で消えることがないと思った記憶がピーターさんから急速に消えていった。その中の最もいとしい記憶が2人の結婚だ。
初めて自分の妻がわからなくなったのは、ロードアイランド州の海辺で休暇を取った後の帰り道だった。
「家に近づくとピーターは私に方向を指示しだした。『これがうちへの道だ。右に曲がって』というような言葉を続けて、まるで私が見ず知らずの運転手で住んでいる場所を知らないような扱いだった」(リサさん)
「家に着くと私の側に来て車のドアを開けてくれて、家へと招き入れてくれた。家の中を見せるのに緊張しているようだった」
「かわいらしかったが、私は彼が現実に戻ってくれるのをじっと待っていた。そして戻ってはくれなかった」
「彼は私と2度恋に落ちてくれた」
20年12月、2人はテレビ番組「New Girl/ダサかわ女子と三銃士」を見ていた。感動する結婚のシーンを見てリサさんは泣いていた。
その様子を見ていたピーターさんは笑いだした後、画面を指さして「これをやろう」と言いだした。
「私は『何をやるの?』というような感じだったが、彼は大きな笑みを浮かべて『結婚しよう』と言った」(リサさん)
ピーターさんは「これは大仕事になる」とも言った。自分の妻にプロポーズをしたことは理解していない様子だった。