白人主体の高校バスケチーム、中南米系多数の相手チームにトルティーヤ投げ優勝資格失う 米加州
(CNN) 米カリフォルニア州南部で、メンバーの大半を白人が占める高校バスケットボールのチームが地方大会を制した優勝校としての地位を剝奪(はくだつ)された。中南米系が中心の相手チームに向けて、試合後にトルティーヤを投げたためだという。大会を運営する当局が先月30日に明らかにした。
同州で学校間のスポーツ対抗試合を運営する組織CIFは報道向けの発表で、当該の事象を徹底的に調査、分析したと説明。そのうえで、試合の対戦相手に向けた差別的かつ人種に基づく軽蔑的な行動について、教育に根差した競技活動の原則に反すると改めて強調した。
さらに、調査結果を受けて、該当するカテゴリーの今年の優勝校は空位にすると発表した。
問題の試合は先月19日、中南米系が大多数のオレンジグレン高校と、ほとんどが白人で構成されるコロナード高校との間で行われ、後者が勝利した。
試合後、コロナード高校のメンバーの一部が相手選手に向かってトルティーヤを投げた。観戦者の証言や動画の記録によると、その前にコート上では何度か激しい言い争いが起きていた。
CIFはコロナード高校の選手らを2024年の学年度末まで保護観察処分にすると発表。チームとスタッフにはスポーツマンシップを身に着けるためのワークショップへの参加を義務付けるとしている。そこには人種や文化に対する配慮を学ぶ取り組みも含まれる。
「この件については疑う余地がない。中南米系が大半のチームにトルティーヤを投げる行為は容認できず、制裁を受けてしかるべきだ」と、CIFは述べた。
コロナード高校を管轄する地区の教育委員会も先月、試合後に出された人種差別を非難する決議を全会一致で承認していた。