クオモNY州知事が辞意表明、セクハラ認定で辞任圧力高まる
(CNN) 米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は10日、辞任する意向を表明した。クオモ氏を巡っては1週間前、女性11人にセクハラしたと認定する州司法長官の報告書が公表されて辞任圧力が強まり、州議会での弾劾(だんがい)の可能性も出ていた。
ニューヨーク市で記者会見したクオモ氏は、「この状況に鑑み、私にできる最善のことは辞任し、政府がその活動に戻れるようにすることだ」と説明。「従って私は辞任する」と表明した。
クオモ氏によると、辞任する時期は2週間後となる。後任は7年間にわたって副知事を務めたキャシー・ホークル氏で、ニューヨーク州初の女性知事になる。ホークル氏の後任には、やはり女性である州上院のアンドレア・スチュワートカズンズ院内総務が就任する。
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官が報告書を公表して以降、クオモ氏に対しては、州や連邦の民主党関係者から辞任を求める声が改めて高まっていた。クオモ氏は当初、「もっと時間がほしい」として側近の助言に抵抗していたものの、最終的には州議会が弾劾手続きを開始する前に辞任を決断した。
辞任表明後ヘリコプターに乗り込む準備をするクオモ知事=10日/Seth Wenig/AP
クオモ氏は2020年春、新型コロナウイルス禍への対応が称賛されたものの、その後クオモ政権は相次ぐスキャンダルに見舞われた。性的な不正行為の疑惑に加え、介護施設での新型コロナ死者を過少報告した疑いや、コロナ禍に関する本を執筆した際に公的資源を不正に使用した可能性も浮上していた。
クオモ氏はこうした疑惑に絡み刑事訴追される可能性があるほか、告発者の1人である元側近の女性から提訴されている。
クオモ氏は不適切な身体接触を行ったことは一度もないとして、疑惑を全面的に否定。ただ、一部の行動が他人を不快にさせるものであったことは認めていた。