米国のコロナ入院患者10万人超、ワクチン前の昨年より状況悪化
(CNN) 米国で新型コロナウイルスによる入院患者が10万人を突破した。10万人を超えたのは今年1月以来。医療関係者は、患者の多さに再び対応が追い付かなくなりつつあると危機感を募らせている。
感染力の強いデルタ変異株の影響で症例数は急増し、現在のようなワクチン接種がまだ始まっていなかった1年前の同じ日に比べて倍以上に増えている。
病院関係者や研究者は、入院患者の大多数がワクチンを接種していなかったと述べていた。米食品医薬品局(FDA)ワクチン諮問委員会のポール・オフィット委員はCNNに対して25日、「今の数字は実際のところ、多くの点で昨年8月よりも悪い」「昨年8月は国民全体が感染しやすい状態にあり、ワクチンは存在していなかった。今、国民の半分がワクチンを接種したにもかかわらず、数字が悪くなっている」と述べ、デルタ株が状況を一変させたとの見方を示した。
米国では6月にデルタ株が主流になって以来、入院者数や症例数が激増した。
米保健福祉省によると、25日現在、新型コロナのため米国で入院している患者は10万317人を超え、約9週間前の6倍以上になった。
これまでに10万人を超えたのは、昨年11月下旬から今年1月初旬までの期間のみだった。
米カリフォルニア州ロサンゼルス郡の調査では、ワクチン接種を済ませた人の方が接種していない人に比べて新型コロナによる入院する確率が低いことが確認されている。
米疾病対策センター(CDC)がこのほど公表したロサンゼルス郡衛生局の統計によれば、ワクチンを接種していなかった人の感染率は、完全接種した人に比べて7月25日の時点で4.9倍、入院率は29.2倍だった。
ワクチンを完全接種していながら新型コロナに感染した人の入院率は3.2%だった。0.5%が集中治療室に入院し、0.2%は人工呼吸器を必要とした。