米国のコロナ入院患者10万人超、ワクチン前の昨年より状況悪化
この調査は、ロサンゼルス郡で5月1日~7月25日にかけて感染が確認された患者を対象としている。
米国は人口の48.3%がワクチン接種を完了していない状況にあり、症例数の急増に伴って病院はひっ迫しつつある。
特にフロリダ州は人口当たりの入院者数が全米で最も多く、10万人中約80人に上る。
フロリダ州タンパのがん専門医ニテシュ・パーヤニ医師はCNNの取材に対し、「緊急治療を必要としていたがん患者を断らなければならなかった」「60年にわたる私の一家のがん治療の歴史で、患者を受け入れられなかったのは初めてだ。ただ病床に空きがなかった。患者を治療するための部屋が病院になかった」と打ち明けた。
パーヤニ医師が勤務する病院の緊急治療室はこのところ、12時間待ちの状態だという。
全米で新学期が始まる中で、専門家は子どもの感染の急増も懸念している。
テキサス州ヒューストンの子ども病院では、小児の新型コロナウイルスの症例数が前例のない増え方をしている。小児科のジム・バーサロビッチ医師によると、コロナ感染で入院する子どもの数は過去最高を更新し、子どもがこれまで以上に重症化する傾向がある。
バーサロビッチ医師によれば、子どもの症例数のピークは今年1月上旬の時点で1週間に900例超だったが、現在は1週間の症例数が1300例を上回っているという。
昨年から今年初めにかけては、子どもが陽性と診断されたとしても、症状は軽症か無症状だった。しかし現在は発熱やせきなどの症状がある子どもが増え、幼児や幼い子どもの入院が増えているという。