4人以上死傷の銃乱射、新型コロナ流行に伴い全米で増加
(CNN) 米国で新型コロナウイルスの流行に伴って銃乱射事件が急増し、2020年7月は前年同月比で2倍に増えたという調査結果が、16日の医学誌JAMAネットワークオープンに発表された。
研究チームは非営利団体「ガン・バイオレンス・アーカイブ(GVA)」がまとめた20年4月~21年7月までの銃暴力に関する統計の中から、銃撃犯を除く4人以上が死傷した事件を銃乱射事件に焦点を当てて調査した。
その結果、前年までの傾向と比べると、銃乱射事件は20年5月以降に増えていたことが判明。20年7月の発生件数は88件に上り、19年7月の42件、18年7月の45件に比べて大幅に増えていた。
パンデミック(世界的大流行)に伴い警察が報告する銃暴力の件数も増加した。イリノイ州シカゴでは今年に入ってこれまでに発生した銃撃事件が、2年前の同時期に比べて64%増えた。
全米では昨年、611件の銃乱射事件が発生。その前年は417件だった。今年はこれまでに498件の銃乱射事件が発生し、9月だけで34件に上っている。
20年4月以降は、1日の平均で銃乱射事件が0.78件、殺害された人は0.49人、負傷者は3.4人、それぞれ増えていた。
パンデミックの間の銃乱射事件は、統計に含まれる882都市で全般的に増加していた。
パンデミックに関連した銃乱射事件の急増は、こうした事件が社会的・経済的要因の影響を受けやすいという考え方と一致していると研究者は解説している。