警官が下半身不随の男性を車外に引きずり出し拘束、映像公開 米

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車から引きずり出され、路上で拘束される男性がボディーカメラに映っている/Dayton Ohio City Government

車から引きずり出され、路上で拘束される男性がボディーカメラに映っている/Dayton Ohio City Government

(CNN) 米オハイオ州で下半身不随の黒人男性がこのほど、警官によって車の中から無理やり引きずり出されたとして全米黒人地位向上協会(NAACP)に苦情を申し立てた。警官のボディーカメラには、車から出るのを拒んだ男性の髪や腕をつかんで車外へ引きずり出し、拘束する様子が映っている。

当該の拘束は先月30日に発生。警察は麻薬に関係しているとの疑いから監視対象としていた家屋から男性が車で出てきたため、停車させたとしている。

男性はデイトン警察を不当逮捕、違法な取り調べと取り押さえ、自分の権利を読み上げることなく勾留したことなどで告発している。NAACPのデイトン支部長、デリック・フォワード氏が記者会見で明らかにした。

男性は今月10日の記者会見に出席し、警官が自分を無理やり警察車両に引きずり込んだと主張。犬か、ごみのように扱われたと訴えた。

裁判所の記録によると、男性は拘束時、同乗していた子どもにシートベルトを着けさせていなかったことと車の窓ガラスに色を着けていたことを理由に出頭を命じられた。子どもと男性に血縁関係があるのかどうかは不明。

男性の弁護士は、男性が8日に無罪を主張したと説明。いくつか調査を行った後、おそらく来月にも何らかの訴えを提出する考えを示唆した。

フォワード氏はCNNに対し、男性を車から引きずり出した警官も黒人だったため、本件が人種的分析に基づく事案に当たるとは考えていないと述べた。

デイトン警察署は同日、12分近いボディーカメラの映像を公開した。同署の幹部は声明で、男性が前出の家屋を立ち去るのを見て現場の警官が麻薬捜査の警察犬チームの出動を要請したと述べた。男性には過去に薬物と武器に関する犯罪歴があったという。

同幹部によるとデイトン警察署の規定では、警察犬が嗅覚を使った捜査を行う際、車両内の人々に対し、本人の安全のため車外に出ることを求めている。

ボディーカメラの映像の中で警官の一人が運転席の男性に車から降りるよう声をかけているが、男性はこれを拒否。自分は下半身不随で、人の手を借りて乗ったと説明している。

警官は男性が降りられるように手を貸すと申し出たが、男性は体に触れられるのを拒み、警官に対して上司を呼ぶよう求めた。警官は、上司は呼ぶが車から降りるのが先だと答えた。

さらに、協力して降りるか、引きずり出されるか、選択肢は2つだと説明。男性は繰り返し上司を呼ぶよう求めた。

その直後、警官2人が男性の体をつかんだ。男性は抵抗したが、腕や襟、髪をつかまれ車外に引っ張り出された。そのまま路上に横たえられた男性は、警官2人が抑えつける中、大声で助けを求めている。

警察署幹部によると、男性はこの後、地元の病院でけがをしていないか検査を受け、釈放された。

男性の車内からは現金2万2450ドル(約254万円)の入ったバッグが回収されたが、男性はこれを自分の貯金だと説明。今回の捜査では武器も麻薬も見つかっておらず、麻薬に関するいかなる罪でも起訴されていないと強調した。

捜査に当たった警官らは現在も勤務に就いているが、一方で調査が進行中だという。デイトン警察署の広報担当者が明らかにした。

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