米大学、マスク義務解除も翌日に撤回 連邦政府と州の食い違いで
(CNN) 米テネシー大学ノックスビル校で今週、新型コロナウイルス対策のマスク着用義務を解除するとの通知が送られたものの翌日撤回され、着用義務の復活が決まるという混乱が起きた。
テネシー大学では15日、総長から職員らにマスク着用義務を解除するとのメールが送られた。テネシー州でマスクやワクチンの義務化を禁止する新たな州法が、12日に施行されたことを受けた通知だった。
ところが16日になって、ノックスビル校はこれを撤回。同校の学長は職員らへの書簡で、学内での感染者は非常に少ないにもかかわらず、マスク着用義務を復活させる必要があると述べた。
その背景には、バイデン大統領が出した大統領令の規定がある。大統領令は全ての連邦職員や請負業者に新型コロナウイルスワクチンの接種を義務付け、請負業者の建物ではマスク着用を含む疾病対策センター(CDC)の指針に従うよう求めている。
学長によれば、ノックスビル校は連邦政府の請負業者にあたるため、この大統領令が適用される。テネシー大学総長は州法の適用除外を求める申請を出し、15日のメールが発信された直後に承認の連絡を受けたという。
テネシー州では連邦政府との食い違いをめぐり、州検事総長が大統領令に異議を唱える訴訟を起こしている。
訴訟の影響で、ノックスビル校のマスク着用義務が復活するのは22日になる見通し。CNNはテネシー大学のほかのキャンパスにも、マスクの義務を復活させる予定があるかどうかを問い合わせている。