新たな変異株、「危険信号」との見方も米国は情報収集必要 ファウチ氏
(CNN) ファウチ米大統領首席医療顧問(米国立アレルギー感染症研究所長)は26日、南アフリカで初めて確認された新型コロナウイルスの変異株「B.1.1.529」に触れ、「危険信号」との見方に言及しつつも、米国は南ア関係者と緊密に連携して情報収集に努めている状況だと明らかにした。
南アフリカの保健相は25日、国内の一部で急速に広がっているとみられる新たな変異株の発見を発表。世界保健機関(WHO)は26日、この変異株を「懸念される変異株」に指定し、「オミクロン株」と名付けた。
ファウチ氏によると、現時点ではB.1.1.529が米国に流入したことを示す情報はない。
ファウチ氏はCNNの取材に、新たな変異株は「相当急速に」広がっているように見えると述べた。これまで南アフリカやボツワナ、南アから香港への旅行者から検出され、欧州でもベルギーで初めて確認されている。
米国の研究者は南アの研究者と「非常に活発に」やり取りしているという。米国で新変異株の検査が可能になるよう、分子構造についての情報を収集する目的がある。
研究者の間では、B.1.1.529は変異の数が多いため感染力が強く、現在使用中のワクチンを回避する可能性があるとの懸念も漏れる。
ファウチ氏は「いまは直接的な検査が可能な状況をつくるべく、南アフリカ関係者と協力して資料を集めている状況だ」と説明。一種の「危険信号」との見方もあるが、ワクチンを回避するかなどは現時点では不明だとしている。