南アで新たな変異ウイルス発見 免疫回避、高い感染力の可能性
(CNN) 南アフリカの保健相は25日、新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかったと発表した。同国の一部で感染が急拡大している様子だとしている。
ジョー・ファーラ保健相は「当初はクラスター感染のように見えていたが、昨日から、新たな変異株を観測したとの情報がゲノム調査ネットワークの科学者から入った」と述べ、最初にどこで発生したのかは現時点で不明だと強調した。同変異株は「B.1.1.529」と命名された。
同変異株はこれまでに南アフリカとボツワナで見つかっているほか、南アから香港への渡航者1人からも検出されているという。
ゲノム研究者は記者会見の中で、この変異株は変異の数が異常に多いと指摘。攻撃相手の細胞へ侵入するために使う「スパイクたんぱく質」で、30カ所以上の変異が起きていると説明した。
感染症対策センターのトゥーリオ・デ・オリベイラ局長はこの変異株について「我々の予想以上に変異が多い」と述べ、「感染が急拡大していて、向こう数日から数週間で我々の医療の逼迫(ひっぱく)が予想される」と説明。大規模な集団感染が起きる「スーパースプレッディング現象」を避ける努力をするよう、国民に呼びかけた。