米最高裁、テキサス州中絶禁止法の存続容認 中絶提供者は提訴可能

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米最高裁が、テキサス州の中絶禁止法の存続を認める判断を示した/Robert Alexander/Getty Images

米最高裁が、テキサス州の中絶禁止法の存続を認める判断を示した/Robert Alexander/Getty Images

(CNN) 米連邦最高裁は10日、妊娠6週目以降の人工妊娠中絶を禁止したテキサス州の州法について、存続を認める判断を示した。一方で、中絶提供者が連邦裁判所で同法に異議を申し立てる権利も認めた。

最高裁の判断の結果、本件は連邦地裁に戻ってさらなる訴訟が行われることになる。

法廷で争うことが可能になった中絶クリニックは辛うじて勝利した形だ。ただ同時に、最高裁は中絶提供者が提訴できる州当局者の範囲を限定しており、妊娠6週目以降の中絶提供は難しくなる可能性がある。

全米家族計画連盟(PPFA)のアレクシス・マクギル・ジョンソン会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で、「最高裁はテキサス州が州内で中絶を受ける憲法上の権利を意図的に無効にするのを差し止めず、テキサス州で広がる混乱と害悪に加担し、他州が同様の州法を通じて憲法を回避するゴーサインを与えた」と指摘した。

最高裁が中絶提供者の提訴できる対象者を制限したことで、中絶提供者が最終的に有利な判決を勝ち取っても、一部の州当局者による法執行を差し止めるだけとなり、中絶クリニックの再開には不十分になりそうだ。

その理由はテキサス州法の新しい執行メカニズムにある。同法では州法に違反して中絶を求める妊娠者を支援した人を相手取り、全米の私人が民事訴訟を提起できると規定している。

下級審が一部の州当局者による中絶禁止法の執行を差し止めることしかできなければ、クリニックは同法執行を試みる私人から州裁判所で訴訟を起こされる可能性があり、クリニックの中絶再開につながるかは不透明だ。

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