北京五輪の時期、ロシアのウクライナ侵攻に影響か 米国務副長官
(CNN) 米国務省のシャーマン副長官は26日、ロシアが軍事圧力を強めるウクライナ情勢に触れ、中国・北京で近く開幕する冬季五輪の時期の問題がロシアのプーチン大統領の侵攻に関する判断に影響を及ぼす可能性があるとの見方を示した。
欧州のシンクタンクの行事にオンライン参加した際、述べた。「プーチン(氏)が五輪の時期にウクライナへの軍事攻撃を仕掛ければ中国の習近平(シーチンピン)国家主席は喜ばないだろう」と指摘。
北京冬季五輪の期間は2月4日から同月20日まで。副長官は、プーチン氏は五輪への出席を予定していることにも触れた。
ロシアは過去に、五輪の開幕中に軍事行動を実行した先例がある。2014年にはロシア・ソチでの冬季五輪が閉幕しつつある時期にウクライナ・クリミア半島の強制併合を強行。08年の北京夏季五輪ではジョージアへの武力攻撃に踏み切っていた。
この中で中国外務省は24日、同国がプーチン大統領に北京冬季五輪の最中にさらなるウクライナ侵攻に及ばないよう要請した可能性があるとの米ブルームバーグ通信の報道を否定。北京の外交筋を引用したこの報道では、習主席はプーチン氏との昨年12月の電話会談で、配慮を求めた可能性があるとしていた。
ロシアの国営タス通信によると、同国大統領府も報道内容を打ち消し、「フェイクニュースであり緊張を煽る方途」と切り捨てていた。
シャーマン副長官は、北京冬季五輪がウクライナ情勢に絡むロシアの行動を左右する可能性を裏づける何らかの諜報(ちょうほう)を入手したことは示唆しなかった。プーチン氏周辺の人物さえ大統領が次にどう出るかわからない状態にあるとも推測した。
その上で、「彼が軍事力を行使するであろうことを示す全ての兆候を米国は目にしており、その時期は多分、現在と2月半ばの間」とも判断した。ただ、プーチン氏が侵攻のための最終決定を下したのかどうかはわからないともつけ加えた。