ウクライナへの全面侵攻、ロシア当局者は懐疑的と米情報機関

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野外射撃演習を行うロシア戦車部隊のT72戦車/Erik Romanenko/TASS/Getty Images

野外射撃演習を行うロシア戦車部隊のT72戦車/Erik Romanenko/TASS/Getty Images

(CNN) 米情報機関は8日までに、傍受した通信記録からロシア当局者の一部がウクライナに対する大規模な侵攻について懸念を抱いているとの見方を示した。そうした侵攻はプーチン大統領や閣僚らの想定よりもコストがかかり、困難なものになるためだとしている。

諜報(ちょうほう)活動に詳しい4人の情報筋が明らかにした。このうち3人は、当該のロシアの当局者らについて、情報と軍事担当の要員を含むとしている。

これらの当局者らはまた、自分たちの計画が西側諸国によって察知、公表されていることに不満を漏らしている。情報筋の2人が傍受した通信記録を引用して明かした。

同情報筋らは、当局者らが全体的な計画への反対を表明したり、プーチン氏の命令に背く意向を示している証拠はないと述べた。また別の情報筋が指摘したところによると、ロシアの保有する職業軍隊はプーチン氏の命令を効率的に遂行するとみられている。

それでもロシアの国防担当者は、事態がより困難なものになると認識しているようだ。ある欧州の高官は「我々の評価したところ、明らかに(ロシアの)国防要員の中には、実際の作戦がどのようなものなのかあまり理解していない人々がいる」と述べた。そのうえで、当該の要員らは「こうした作戦の成立が極めて困難」だと考えているようだと付け加えた。

諜報活動に詳しい別の情報筋は、ロシアが過去2カ月間にわたり作戦を進展、拡大する中で、同国の高官からも懸念の声が上がっていることを示唆した。

当局者らは5日にCNNの取材に答え、プーチン氏が現時点でウクライナへの大規模侵攻に必要な兵士及び兵器の70%を国境周辺に集結させているとの見解を示した。一部の評価によると、同氏はウクライナ首都キエフの占領を図っている可能性がある。陸と空から大規模侵攻を受けた場合、同市は48時間以内に陥落する恐れがあるという。

このほか、プーチン氏が多方面に分岐した作戦を決断する可能性もあると、この当局者は指摘。その場合はウクライナ全土の複数地域に兵力を投入し、まとまった軍隊として対抗する能力を急速に瓦解(がかい)させる。典型的なロシア軍の戦略だという。

諜報活動に詳しい情報筋はCNNの取材に対し、米国によるロシア軍とロシア外務省に関する洞察はかなり信頼できるものだと強調。対象となる要員らは現行のウクライナ周辺の軍備増強に関与している人物で、このため米国はロシア軍の作戦について通常より質の高い知見を得られていると述べた。

ただ米情報機関には、依然としてプーチン氏本人とロシア高官の大半に関する情報はほぼ入ってこない。彼らは下位の要員と接点を持たず、政府として命令を遂行させているという。

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