米軍制服組トップが警告、ロシア侵攻なら「恐ろしい」結果に
(CNN) 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は28日、ロシアがウクライナに侵攻すれば「恐ろしい」事態になると警告した。「大量の」犠牲者が出るとも述べ、ロシアのプーチン大統領に侵攻ではなく外交路線を取るよう促した。
ミリー氏は国防総省での記者会見で、「配置されている兵力のタイプを考えると、これがウクライナに対して発動されれば大変なことになる。大量の犠牲者が出る」と指摘。「密集した都市部や道路などがどのような光景になるかは想像がつくだろう。恐ろしい事態、悲惨な事態になる。無用の犠牲が出る」と述べ、外交的な解決を訴えた。
会見に臨んだミリー氏とオースティン国防長官は記者団に対し、ロシアがウクライナ国境に数万人規模の兵力を集結させるなか、侵攻の可能性を踏まえた米軍の準備態勢について説明した。オースティン氏は今週、東欧で北大西洋条約機構(NATO)を支援する任務に備え、米兵8500人を警戒態勢に入らせていた。
バイデン大統領は同日、こうした兵員を「近いうちに東欧のNATO加盟国に移動させる」と記者団に表明した。
ミリー氏はこの日、ウクライナの地理についても言及。高地下水位の部分が凍結すれば、スキーなどでの山野横断や装輪車両の動きに最適な状況になるとの見方を示した。
そのうえで「ウクライナには多くの人が住み、人口密集地域が存在する。可能な規模と範囲で戦争が発生した場合、民間人が多大な犠牲を被る」と危機感を示した。