米フロリダ州知事、「ゲイと言ってはいけない」法案への支持を示唆
(CNN) 米フロリダ州のデサンティス知事(共和党)は7日、性的指向に関連して物議をかもしている州法の法案を支持する考えを示唆した。同法案は、 性的指向や性自認についての特定の議論を学校の授業で行わないよう規定する内容。
デサンティス知事は、教師や学校管理者が生徒らと性自認について会話するのは「全くもって不適切」と発言。一部の学校では、児童らが「心配いらない。まだ自分の性別を選ばないで」などと告げられていると述べた。ただ「そうした事例が多数に上るとは考えていない」とも認めた。
デサンティス知事は7日の会見で「学校は子どもたちに読み書きを教えなくてはならない。教師らは科学や歴史を教えなくてはならない。公民の授業も増やして、合衆国憲法について理解する必要がある。我が国を特別な存在にする、あらゆる基本的な事柄を理解しなくてはならない」と語った。
性的指向と性自認に関する特定の会話を学校内で行わせないようにする州の共和党議員の取り組みについて、州知事が公に支持する考えを示唆したのは初めて。法案が可決されれば署名するのかとの問いには直接回答しなかったものの、会見での発言は法案に協力的な姿勢を強くうかがわせる内容だった。
反対派が「ゲイと言ってはいけない法案」と名付けている同法案は、「性的指向と性自認についての会話を初等教育において、もしくは生徒の年齢や発達にとって適切でない形で行うのを推奨しない」としている。「年齢」や「発達」にとって何が適切とみなされているのかは不明。
民主党や性的少数者の活動家らから強い反発を受けているにもかかわらず、法案は州議会で本格的に取り上げられ、8日には上院の教育委員会でも議題に上る予定。下院教育委員会では先月、同法案を支持する採決が下されていた。
反対派は法案について、性的少数者の生徒に対する一段の非難につながり、すでに肩身の狭い思いをしている中でいじめや自殺の増加を引き起こすと警告。また性的少数者の歴史が授業のカリキュラムから削除されるとともに、教室で性的指向と性自認に関する質問が出ても教師はそれについて議論できなくなると指摘する。
これに対し法案の支持者らは、各学校区には猶予期間が設定されており、教師も質問があった場合はそうした内容の話し合いをすることができると説明。同性愛者の親らがクラスの催しに参加できないわけではなく、教師らが同性愛者の団体を支援できなくなることにもならないとしている。
法案が成立すると、生徒の親らは違反の疑われる学校区を提訴することが可能になる。