「戦争が始まった」 米議会襲撃を生中継、女に禁錮45日の実刑
(CNN) 昨年1月6日に起きた米議会議事堂襲撃事件の動画を撮影して「戦争が始まりました」と伝え、SNSで行動を呼びかけたとして罪に問われた女が23日、禁錮45日の実刑判決を言い渡された。
実刑判決を受けたのはイメルダ・アコスタ被告。襲撃事件の様子を40分以上にわたって生中継し、警官が激しい暴行を受けた場面も一部を撮影していた。罪状認否で不法な抗議運動の罪を認め、判決では45日の禁錮に加えて5000ドルの罰金を言い渡された。
レジー・ウォルトン裁判官は判決の言い渡しに先立ち「内戦がどのように始まったかに関する本を何冊か読み」、歴史が繰り返されることに対する懸念を強めたと語った。
アコスタ被告は紅茶とヨガの店の元経営者。口頭弁論の中で、穏やかだった自分があの日は「全てのエネルギーに巻き込まれた」と証言。愛と平和についてもっと叫び声を上げていればよかったと振り返り、「ただ愛だけを広めれば、戦争の必要はない」と言い添えた。
検察によると、アコスタ被告はホテルの部屋でニュースを見たり、別の客から「ペンス副大統領は裏切り者だ」と言われたりして、議事堂の暴動に加わる気になったとされる。
議事堂では建物の内部を撮影し、荒らされた会議室で暴徒の1人がメガホンを手に「この建物を乗っ取るつもりなら力を合わせた方がいい」と呼びかける様子をとらえていた。暴徒らは会議室の机などを持ち出して、外にいた警官を襲撃した。
別の暴徒は「裏切り者は撃つ。ペンス、待っていろ」と叫び、アコスタ被告も「行くぞ」「戦争だ」と応じていた。
アコスタ被告は自分の動画の視聴者にも、「私にできることは、あなた方にもできる」と訴えていた。
議会襲撃事件では740人以上が逮捕され、これまでに106人が判決を言い渡されている。