米最高裁判事にケタンジ・ブラウン・ジャクソン氏指名、史上初の黒人女性
(CNN) バイデン米大統領は25日、引退を表明した連邦最高裁のスティーブン・ブライヤー判事の後任に、首都ワシントン連邦控訴裁のケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事(51)を指名した。指名が承認されれば米国史上初めて黒人女性の最高裁判事が誕生する。
バイデン氏はホワイトハウスでジャクソン氏を紹介。「海外で自由が攻撃されるのを目の当たりにしている今日、私は憲法上の責務を遂行して米国内の自由を守るためにここにいる」と述べた。
さらに「我々の政府や裁判所はあまりに長い間、米国らしくない状態が続いてきた。今こそ並外れた資質を持つ候補者を登用して、米国の人材と偉大さを余すところなく反映した裁判所を持つべき時だと信じる」などと述べた。
上院民主党指導部は4月半ばまでにジャクソン氏の指名承認採決を行いたい考え。
ジャクソン氏はブライヤー氏が引退を表明して以降、その空席を埋める最有力候補とみられていた。
ジャクソン氏は、ここまで歩んで来られたのは信仰のおかげだと述べ、神への感謝を表明。何より恵まれているのは偉大な米国に生まれたことだとして、両親にも謝意を示した。
ジャクソン氏の指名は歴史的ではあるものの、最高裁の思想的な構成が変わることはなさそうだ。現在、最高裁は6人の保守派判事と3人のリベラル派判事からなり、引退するブライヤー氏はリベラル派に属する。今後数カ月の間に人工妊娠中絶や銃規制、信教の自由といった争点について重要判決が出ることが予想される中、最高裁は右寄りの判断を続ける様子を示している。