米国全体で感染者数が落ち込む中、多くの州がマスク義務化の撤回に動いているが、それでもデサンティス氏の見方に反してマスク着用に一定の効果があると示唆する証拠が数多く存在することは認識しておいた方がいい。
米疾病対策センター(CDC)が発表したマスク着用に関する最新の指針は、ワクチン接種とマスク着用を組み合わせることで重症化の予防に寄与し、医療体制が逼迫(ひっぱく)するリスクを低減できるとしている。
またCDCによると、前出の高校生らが通う高校のあるヒルズボロ郡はコロナ感染が拡大状況にあるため、屋内でのマスク着用が推奨されているという。
デサンティス氏がこうした事実を認めることはなさそうだ。ウイルスに対する強気の姿勢により、同氏は全国区の支持者を獲得した。週末にかけて開かれた保守派の大規模イベント「保守政治活動会議(CPAC)」で実施した世論調査では、2024年大統領選の予備選挙で誰を支持するかという質問に対し、トランプ前大統領に次いで2番目に多い票を得ている。トランプ氏を除いた2度目の調査では圧倒的な票差で1位を獲得した。
デサンティス氏自身は大統領選への関心を隠していない。立候補の可能性があるとされる元国連大使のニッキー・ヘイリー氏やサウスカロライナ州選出のティム・スコット上院議員らとは異なり、デサンティス氏はトランプ氏の再出馬を支持するかどうか、あるいはトランプ氏が再出馬した場合は出馬を見送るのかといった問いに対する答えを明確にしていない。
トランプ氏は昨秋、デサンティス氏と24年の大統領選予備選で対決する可能性に言及し、「彼と戦うことになっても、私が勝つだろう。他の誰に対しても私が勝つように」と述べていた。
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本稿はCNNのクリス・シリザ編集主幹による分析記事です。