武器供与による「リスク向上」に留意 米国防総省幹部
(CNN) 米国防総省のコリン・カール国防次官(政策担当)は1日、記者団に対し、米国は、ウクライナでの紛争に関連して行っているあらゆる物事について、リスクの向上に留意していると述べた。そうした関与の中には、米国が先ごろ決定した4基のHIMARS(ハイマース<高機動ロケット砲システム>)の供与も含まれる。
カール次官は「バイデン大統領が明確にしているように、我々にはロシアと直接衝突しようとする意図はない」と指摘。ウクライナでの紛争を拡大したり、第3次世界大戦に発展させたりしようとする意図はなく、その点に留意していると語った。ただ、米国が何をウクライナに供与するのかについて、ロシアに「拒否権」はないともした。
カール次官によれば、ウクライナのゼレンスキー大統領はバイデン大統領に対して、HIMARSが供与されても、紛争を拡大することはないと約束したという。
そうした約束については、両政府間で重層的に確認されており、米国のオースティン国防長官もウクライナのレズニコフ国防相に対して、こうした懸念を伝えたという。
カール次官は1日、国防総省での会見で、記者団に対し、米国がウクライナに対して、射程70キロのHIMARSを供与すると述べた。ウクライナ側は、より射程距離の長い兵器を要望していた。
米国は、ウクライナが米国の兵器でロシア領土内を標的としないと保証する限りにおいて、こうした兵器の供与に合意した。