米財務省、ロシア人オリガルヒの信託資産1360億円を凍結
(CNN) 米財務省は6月30日、制裁を受けたロシアのオリガルヒ(新興財閥)、スレイマン・ケリモフ氏とつながっているとして、デラウェア州の信託に資産10億ドル(約1360億円)を凍結すると通告した。
同省によると、ヘリテージ・トラストは「ケリモフ氏の米国にある資産を保有・管理する目的で2017年7月に設立された」という。同氏は18年4月に制裁を受けた。
「ケリモフ氏は制裁対象となった後もヘリテージ・トラストの財産権を保持しており、その結果、ヘリテージ・トラストは凍結された」と同省は説明した。
凍結措置は米国とパートナー各国がロシアのウクライナでの侵攻をきっかけに制裁逃れを積極的に取り締まり、紛争を継続するためのロシア政府へのコストを増大させようとしている中でのものだ。
財務省によると、米国と同盟国によるタスクフォースは発足から100日間で「制裁対象となっているロシア人の資産300億ドル以上」を押収または凍結し、「約3000億ドル相当のロシア中央銀行の資産を動かせないようにした」という。
5月には、フィジーにあるケリモフ氏の3億ドルのヨットが米国の要請で差し押さえられた。
ヘリテージ・トラストの資産は、「ケリモフ氏がヘリテージ・トラストとのつながりを隠すために複雑な一連の法的構造と名目上の人物を使っていたことが調査で明らかになった。その資金はまず同氏が制裁対象となる前に、同氏が支配する外国の企業2社を通じて米国の金融システムに入った」という。
イエレン財務長官は声明で「財務省は制裁を逃れ、不正に得た利益を隠そうとする者を暴いて崩壊させるために、あらゆる手段を使い続ける」と述べた。