米右派陰謀論者のテキストメッセージ、議事堂襲撃事件の特別調査委に渡る 情報筋
(CNN) 右派の陰謀論者アレックス・ジョーンズ氏が送受信していたおよそ2年分の電子メールが、昨年1月6日に発生した米連邦議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会の手に渡ったことが分かった。事情に詳しい関係者が8日、CNNに明らかにした。
これらのメッセージは、ジョーンズ氏を相手取って訴訟を起こした米サンディフック小学校銃乱射事件の被害者の両親を代表したマーク・バンクストン弁護士が委員会に手渡した。2012年に起きた同事件を巡り、テキサス州の裁判所の陪審は先週、ジョーンズ氏に総額5000万ドル(約67億円)近くの損害賠償支払いを命じる判断を下していた。
バンクストン氏はCNNの取材に答え、「委員会と協力している」ことのみを示唆。特別委員会はコメントを控えた。
裁判中、バンクストン氏はジョーンズ氏の弁護士の1人が「混乱して」、うっかり自分に2年分のテキストメッセージを送ってきたことを明かしていた。また特別委員会がそれらのメッセージに関心を示したとも語っていた。
ジョーンズ氏の弁護士のフェデリコ・アンディーノ・レイナル氏は判事に対し、メッセージを消去して委員会に送らないようバンクストン氏に命じることを求めたが、判事はこれを退けた。
当該のテキストをジョーンズ氏がやり取りした具体的な時期について、情報筋は詳細を明らかにしていない。
ジョーンズ氏は議事堂襲撃事件の中心人物だった。当日は立ち入りが禁止された議事堂の敷地内にいて、抗議デモの参加者らを煽(あお)っていた。ただ自身は議事堂内に侵入しなかった。直接暴力の計画に関与したとする見方は一切否定しており、現場では人々が違法行為に走るのを止めようとしたと主張している。
今年に入ってからは特別委員会に対して証言したものの、後に自身の番組で繰り返し黙秘権を行使したと説明した。宣誓証言は非公開の場で行われたという。
特別委に名を連ねるゾー・ロフグレン下院議員(民主党・カリフォルニア州選出)は7日、委員会がまだテキストを閲覧してはいないとCNNに説明。ジョーンズ氏が議事堂襲撃事件で果たした役割についてより多くの事実が明らかになることに関心を寄せていると述べた。
司法省がテキストを入手したかどうかは8日午後の時点で不明。同省はコメントを控えている。