アラビア語を理由に強制降機、イスラム教徒の男性2人がアラスカ航空を提訴
(CNN) 離陸前の機内でアラビア語のメッセージを送ったり会話をしたりしていたという理由で降機させられ、精神的な苦痛を受けたとして、イスラム教徒の黒人男性2人が米アラスカ航空を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こした。
米連邦地裁に先週提出された訴状によると、原告の2人は2020年2月、シアトル発サンフランシスコ行きの便のファーストクラスに搭乗。離陸前に、アラビア語を話せないほかの乗客が、2人のメッセージや会話を見とがめて乗務員に伝えた。
2人は「チケットの問題」を理由に降ろされた。アラスカ航空の責任者はアラビア語のメッセージを翻訳し、内容に問題なしと判断したが、2人はその後、捜査当局者らに取り囲まれた。最終的には別々の便の格下げされた座席で、予定より数時間遅れてサンフランシスコに到着した。2人はほかの乗客の前で侮辱されたと訴えている。
担当の弁護士はCNNとのインタビューで、アラビア語を問題視した乗客の苦情に根拠がないと分かった時点で、アラスカ航空は原告らに謝罪し、搭乗を認めることができたはずだと指摘。2人はセキュリティー対策の不当な見せしめに使われたと主張した。
2年以上過ぎた今になって提訴に至った理由については、アラスカ航空側が20年12月に内部調査を約束したにもかかわらず、これまで何の連絡も受けていないと説明した。