麻酔科医が点滴に薬品混入の疑い 1人死亡、数人の容体急変 米テキサス州

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点滴に薬品を混入した疑いで逮捕された医師のレイノルド・リベラ・オルティス容疑者/Dallas County Sheriff's Office

点滴に薬品を混入した疑いで逮捕された医師のレイノルド・リベラ・オルティス容疑者/Dallas County Sheriff's Office

(CNN) 米テキサス州ダラスの病院に勤務する麻酔科医が、手術センターで患者用の点滴に神経ブロック剤などの薬品を注入して同僚1人を死亡させ、複数の患者を心臓救急状態にさせた疑いで14日に逮捕された。米連邦検察が明らかにした。

発表によると、逮捕されたのは医師のレイノルド・リベラ・オルティス容疑者(59)。消費者製品を改ざんして人を死亡させた疑いや、故意に医薬品を混入した疑いがもたれている。

オルティス容疑者は現地時間の16日午前10時、ダラスの裁判所に出廷する。有罪となった場合の最高刑は終身刑。

テキサス州医療委員会によると、事件の発端は5月~9月にかけ、ダラスの病院で予想外の心臓救急事案が相次いだことだった

CNN提携局WFAAによると、6月には手術センターの麻酔科医だったメラニー・カスパー医師(55)が死亡した。

調べによると、カスパー医師は急に具合が悪くなり、脱水症状の治療のため、自分とオルティス容疑者が勤務する手術センターにあった生理食塩水の点滴を自ら行った直後に死亡した。8月24日前後にまとめられた検視報告によると、死因は麻酔治療に使われる神経ブロック剤のブピバカインを致死量投与されたことだった。

8月24日には、18歳の男性が手術中に想定外の合併症を起こし、数日間の入院が必要になった。

捜査員が手術センターにあった点滴バッグを調べた結果、2個に小さな穴が開いているのを発見。防犯カメラの映像から、複数の事件にオルティス容疑者が関与していたことを突き止めたとしている。

例えば8月4日には、手術室から出てきたオルティス容疑者が加温装置に点滴バッグ1個を置き、廊下に誰もいないことを確かめると、すぐに立ち去る様子が防犯カメラに映っていた。その直後、美容外科手術を受けていた56歳の女性が、この加温装置にあったバッグから点滴を受けた直後に心臓の状態が急変した。

「捜査対象の事件発生に近い時刻に、オルティス容疑者が加温装置に点滴バッグを置く姿を映像証拠がとらえていた」と捜査当局は指摘している。

同施設が5月19日、標準的な患者の治療から逸脱した疑いがあるとしてオルティス容疑者に対する調査を開始していたことも判明。オルティス容疑者は同月24日に懲戒調査を通告され、その週内に患者の心臓の状態が急変する最初の事案が発生した。

オルティス容疑者は1991年2月に医師免許を取得し、ダラス市内の複数の手術センターで麻酔科医として勤務していた。

テキサス州医療委員会の発表によると、今月9日には、オルティス容疑者が医療行為を継続すれば公共の福祉が脅かされる状況が続く恐れがあるとして、同容疑者のテキサス州医師免許が一時的に停止された。

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