米軍制服組トップ、包括的なミサイル防衛システムの構築訴え ウクライナ支援会合後
(CNN) 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は12日、ロシアの攻撃からウクライナの領空を守る様々なシステムを組み合わせ、包括的な防空・ミサイル防衛システムを構築する必要があるとの認識を示した。
ベルギーの首都ブリュッセルで軍指導者や国防相の会合に参加した後に述べた。
ミリー氏は会合後の記者会見で、会合に参加した全ての国が資金を出し合い、ウクライナによる「統合防空・ミサイル防衛システムの再構築と維持を支援すること」が必要だと指摘した。
ウクライナ各地では先週末、民間人や民間インフラを狙ったロシアのミサイル攻撃が相次ぎ発生。ウクライナの指導者はこれを受け、西側諸国の防空システムが緊急に必要だと改めて強調した。
オースティン米国防長官が主催した「ウクライナ防衛コンタクトグループ」の会合には、50カ国の国防相や国防トップが参加した。4月以降で6回目の開催となる。ウクライナからはレズニコウ国防相らが参加し、ウクライナの最新の戦況について報告したという。
ミリー氏は、米国だけの力でミサイルや航空攻撃からウクライナの空を守ることはできないと説明。ウクライナの空を守るには、米国や同盟国が自国の防空システムを供与し、ウクライナによる各システムの統合を支援する必要があると訴えた。
米国防総省の当局者によると、米国は既に地対空ミサイルシステム「ナサムス(NASAMS)」の供与をウクライナに約束しており、11月末か12月初めには最初の2基が到着する。
ドイツのランブレヒト国防相はツイッターで、ウクライナに供与する防空システム「IRIS―T」4基のうち最初の1基を10日に搬送したことを明らかにした。