スーン議員は、マコネル氏が退任した場合に院内総務の立場に関心はあるかという質問に対して「もちろん」と答えた。「関心のない者などいないだろう」
「チャンスがあるなら、挑戦することには関心がある」と言うのは、ジョン・コーニン上院議員(テキサス州選出)。元院内幹部で、現在はチームとしてマコネル氏を支えている。
現在共和党幹部のナンバー3を務めるジョン・バラッソ上院議員(ワイオミング州選出)は院内総務への出馬に関心はあるかという質問に、「有益だと思われるなんらかの形で、今後も引き続き党に貢献していくつもりだ」と答えた。
マコネル氏が退任に向けて準備を整えていると思われる兆候も見える。ケンタッキー州議会では上院議員の後継者指名に関する州法改正を求める動きがあり、同氏も昨年これを支持した。マコネル氏も支持する新法では、州知事(現在は民主党)は退任議員と同じ政党から次期議員を選ばなくてはならない。
ケンタッキー州代表の下院議員からも、マコネル氏の議席を狙う動きがひそかにある。そのうちの1人が共和党のアンディ・バー下院議員だ。情報筋によれば、バー氏は可能性があれば大いに関心があると内々で語っており、立候補した場合に備えて「BarrForSenate(バー氏を上院議員に)」というドメインもすでに確保しているという。他の下院議員も立候補の可能性を否定していない。
マコネル氏は今回のインタビューで、上院議員の任期を切り上げて次の会期で引退するのではないかという憶測に終止符を打った。同氏の任期は27年1月に終了する。
「私はケンタッキー州の人々から選出された任期を全うするつもりだ。そのことについて疑問の余地はない」。1985年から保持してきた議席について、マコネル氏はこう語った。
だが、マコネル氏は、任期中に院内総務の座にとどまるかという質問には答えなかった。
「まだそこまで考えが至っていない」とマコネル氏。「次の2年でも再任されると確信している」
院内総務の次期後継者について候補はいるかと尋ねると、「この仕事を継いでやり遂げられる人物は大勢いると思う」と述べるにとどまった。
上院議員としての再出馬の考えはすでに固まっているかという質問は一蹴した。
「勘弁してくれ、まだ任期2年目だ」(マコネル氏)
ケンタッキー州の世論調査ではマコネル氏の支持率はずっと落ち込んだままだが、同氏が再出馬すれば、トランプ氏との対立にもかかわらず再選するだろうと同州の共和党員は語る。
「ミッチ・マコネル氏は世論調査で良かったためしがない」とジェームズ・コーマー下院議員(ケンタッキー州選出)は言う。「だが政治家としては優秀だ。選挙当日には確実に、対立候補よりも支持率を上げてくる」
コーマー議員は「選挙戦では容赦ない。それが功を奏して何年も続いている」と続けた。
院内総務の立場を維持するには、党内での支持確保が必要不可欠となるだろう。大勢の共和党議員がマコネル氏続投支持を表明しているものの、不支持を表明する共和党上院議員も数人いる。テッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)やロン・ジョンソン上院議員(ウィスコンシン州選出)、ジョン・ケネディ上院議員(ルイジアナ州選出)、ランド・ポール上院議員(ケンタッキー州選出)、リック・スコット上院議員(フロリダ州選出)などだ。全米共和党上院委員会(NRSC)の議長を務めるスコット議員は今年、戦略をめぐってマコネル氏と対立している。
マコネル氏を再び支持するかとスコット議員に尋ねると、「選挙が行われればわかる」という答えだった。
マコネル氏本人はNRSCでのスコット氏の仕事ぶりについて、「リックには一切異論はない。みな最善を尽くしていると思う」と述べた。
中間選挙で現在進行中の上院選はもちろんのこと、将来の新人議員にもマコネル氏の影響が見て取れる。ネブラスカ州では現職のベン・サス上院議員が年内で退任し、フロリダ大学学長に就任する意向を明らかにしているが、マコネル氏はサス議員の後任候補者をすでに挙げている。マコネル氏は現職のネブラスカ州知事ピーター・リケッツ氏こそが「最高の選択」だとして、個人的に出馬を促している。
「すでにリケッツ州知事と話をした。リケッツ氏が上院議員になることを望んでいる。ネブラスカ州法の下、具体的にどのような手順で行うかは今後判断する」(マコネル氏)
マコネル氏はリケッツ氏の就任について「それで万事うまくいくのなら、円滑に引き継ぎが行われるだろう」と続けた。
リケッツ氏は声明を発表し、上院議員の任命は次期州知事に一任すると述べたが、出馬の意思については言及しなかった。