危険物積載の米列車脱線事故、州当局が鉄道会社を「刑事告発」
(CNN) 米ペンシルベニア州のシャピロ知事は21日、州の環境保護省が州検事総長に対して、ノーフォーク・サザン鉄道を「刑事告発」したと明らかにした。同社の運行する危険物を積んだ列車が今月、州境に近いオハイオ州の自治体で脱線事故を起こしていた。
同日午後の記者会見で述べた。知事本人の顧問らも、その他の法的措置を検討しているという。
またオハイオ州のデワイン知事は、同州の検事総長も法律上可能な限りの対応を検証中だと明らかにした。
今月3日に発生した脱線事故は数日にわたる火災を引き起こし、空には黒い煙が立ち上った。塩化ビニールを放出するために制御した爆破も行われた。一部の住民は健康被害を訴えているほか、事故後には州内の河川で約3500匹の魚が死んだとされる。
シャピロ氏の主張によれば、ノーフォーク・サザンは危険物の絡む事故から数日の間当局者らに「不正確な情報」を与え、「代替となる行動指針を模索または発動するのを拒んだ」。「要するに、ノーフォーク・サザンは不必要なリスクを今回の危機に注入した」と、シャピロ氏は述べ、自らそうした行動の責任を取らせる計画を立てていると付け加えた。
CNNはノーフォーク・サザンに対し、知事のコメントや刑事告発に関して連絡を取った。
米環境保護庁(EPA)も同社に向け、状況への対処や必要なあらゆる汚染除去作業のコストを負担するよう命令。法的拘束力を持つこれらの命令は23日に発効する。EPAのリーガン長官が明らかにした。
土壌及び水資源の汚染除去といった命令内容を会社側が満たせない場合はEPAが直ちにこれを代行し、同社に3倍の費用を請求するとしている。
EPAの発表を受け、ノーフォーク・サザンはCNN宛ての声明で自社の責任を認識していると説明。事故の影響を被った自治体の住民のため、適正な行動を取ることを約束した。汚染除去作業の経費は引き続きこれまで通り自社で負担するとしたほか、住民への補償にも言及。事故の教訓を生かし、規制当局や選出議員らと協力して鉄道の安全向上に取り組む意向を示した。