米海軍、艦船規模も建造能力も中国に追いつけず 海軍トップが指摘
(CNN) 米海軍トップのカルロス・デル・トロ長官が米首都ワシントンで行った講演で、中国海軍は艦隊の規模についても建造能力についても、米海軍より大幅に優位な立場にあるとの認識を示した。
デル・トロ長官は21日、首都ワシントンのナショナルプレスクラブで講演。中国について「南シナ海などで、我が国の同盟国を含む他国の海洋主権と経済的安定を侵害しようと執拗(しつよう)に試みている」とした。
その上で、「彼らは艦隊を大型化し、世界に展開するようになった」と述べ、これに対抗して米軍の艦隊も増強する必要があると強調。中国の脅威に対抗するため米海軍の規模を拡大し、将来的に艦船を増やして近代化を図る必要があるとした。
中国人民解放軍海軍は今後数年のうちに、艦船の配備数を現在の約340隻から最大で400隻に増やす可能性があるとデル・トロ長官は予想。一方、米艦船の配備数は300隻に満たないと指摘した。
昨年夏に公表された米海軍の計画によると、国防総省は2045年までに有人船350隻の配備を目標としている。それでも予想される中国の配備数には届かない。
しかも米議会予算局(CBO)の昨年11月の報告によれば、この目標を達成する以前に、老朽化した艦船の引退に伴って米艦船の配備数は縮小が予想される。
デル・トロ長官は講演の中で、米海軍は造船能力も中国に追い付くことができていないと指摘。「中国には13の造船所があり、場合によっては中国の造船所の方が製造能力も高い。我が国の全造船所を合わせたよりも高い製造能力をもつ造船所もある。これは真の脅威だ」と語った。