トランプ氏弁護団、「あらゆる論点で争う」 初出廷目前
ワシントン(CNN) 米ニューヨーク州の大陪審に正式起訴されたトランプ前米大統領の弁護団は、起訴状の内容が明らかになり次第「あらゆる潜在的な論点」で争う構えでいることがわかった。弁護団の一人が2日、CNNの番組で明らかにした。
弁護団のジョー・タコピーナ弁護士は番組で「我々は罪状認否では何もしないつもりだ。起訴内容を見ておらず、ショーマンシップ以上のものはないからだ」と発言。さらに「我々は起訴状を受け取り、詳細を検討し、争うことが可能なあらゆる潜在的争点を見定め、それを争う」と続けた。
トランプ氏は4日に初出廷して自身が問われる罪状を知ることになる見通し。訴訟をトライアル(事実審理)まで進めるための十分な根拠があるかについては、最終的に判事が判断することになる。
マンハッタン地区検事を務めていたサイラス・バンス氏は米NBCテレビの番組で、検察側が握っていそうな証拠を臆測できるものの、「起訴内容が明らかになっても、検察の証拠やトライアルで提示する内容はわからないだろう」と語った。
バンス氏のチームは以前、本件を捜査していたが訴追には至らなかった。後任のアルビン・ブラッグ検事が本件を引き継いだ。
トランプ氏はビジネス詐欺に絡む30以上の罪状に問われている。検察の捜査はトランプ氏の大統領在任中に開始し、トランプ氏の元個人弁護士マイケル・コーエン氏による米ポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんへの口止め料13万ドルの支払いに関するものだった。支払いがあったのは大統領選直前の2016年10月で、トランプ氏との疑惑の関係があったとされるのはそれより10年も前となる。
トランプ氏はそうした関係の存在自体を否定している。
トランプ氏弁護団は時効の経過を中心に法廷戦略を練っている可能性がある。検察側は起訴の根拠を、7年前の口止め料支払いに関連するビジネス記録の記帳に置いている可能性がある。
タコピーナ氏は「虚偽の記帳はなく、仮にあったとしても軽罪にあたる方法で、時効が経過しているだろう。従って、彼らはそれらをつぎはぎして重罪を構成しようとするのだろう」との予測を示す。
タコピーナ氏はニューヨーク市内の別の地区に訴訟の移送を申し立てる考えは現時点でないとも語った。