日本で服役の米兵、解決に向け家族がバイデン大統領訪日に望み
(CNN) 日本で死亡事故を起こして服役している米海軍大尉のリッジ・アルコニス受刑者について、主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するジョー・バイデン米大統領の訪日よって状況が進展することに家族や友人が期待を寄せている。
アルコニス受刑者は妻に宛てた4月30日付の手紙の中で「あまり調子がよくない」と訴えていた。「最近は壁と鉄格子のせいで自分の監房が一層狭くなったように思える」「私は今、人間よりも動物に近いと感じる」
この手紙をCNNに見せた妻のブリタニー・アルコニスさんは18日、「夫からのこれまでの便りの中で一番落ち込み方が大きかった」と語った。
アルコニス受刑者は2021年10月、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で禁錮3年の実刑を言い渡された。同年5月に起こした自動車事故では2人が死亡、1人が負傷していた。
アルコニス受刑者は家族で富士山へ出かけて戻る途中、運転中に急性高山病を起こして意識を失ったと主張していた。しかし裁判所はこの主張を認めず、22年7月の控訴審でもアルコニス受刑者側の訴えを退けた。
アルコニス受刑者の家族は、この事件の扱いに関して日米間の地位協定違反があったと主張し、実刑を免れるため、被害者の家族に和解金の支払いを申し出たとしている。
家族側は今、アルコニス受刑者を欧州評議会(COE)の受刑者移送条約に基づいて米国へ移送し、米国で服役を続けさせることを求めている。
妻のブリタニーさんは、米政府の一部は解決を目指して「信じられないほど積極的に」取り組んでいるとする一方で、米国防総省や日本政府は生産的な関与を行っていないと訴える。米国務省は、アルコニス受刑者が不当に拘束されたとは認定していない。
このためブリタニーさんは、バイデン大統領の広島訪問で前向きな動きがあることを望むとしながらも、解決に向けた大きな期待はしていないと話した。