CNN主催のペンス氏の対話集会、6つのポイント
(CNN) 米国のペンス前副大統領は7日夜、CNNがアイオワ州デモインで開催した対話集会に参加した。かつて上司だったトランプ前大統領との間に一連の政策の違いがあることを明確にする一方、フロリダ州のデサンティス知事をはじめとする共和党の大統領選候補者らを牽制(けんせい)する発言も見られた。
集会の数時間前、ペンス氏は2024年大統領選への出馬を正式に表明した。集会では移民政策や給付金の支出、米国によるウクライナ支援などの問題でトランプ氏と相反する見解を示した。
ペンス氏は移民の家族を国境で引き離す政策について、復活させるつもりはないと明言。この政策に対しては批判する声が大きいが、トランプ氏は先月のCNN主催の対話集会で復活も辞さない考えを明らかにしていた。
ペンス氏はまた、他の共和党の候補者が社会保障の変更を論点に挙げないのは間違いだと指摘。会場の聴衆に向け、本気で政府支出を削減するなら、給付金プログラムの変更は避けられないと訴えた。
さらにトランプ氏とは過去について意見が違うだけでなく、共和党に関して異なる展望を抱いていると強調。24年大統領選の本選では共和党指名の候補者を支持すると約束する一方、トランプ氏が予備選を勝ち抜くとは考えていないと明かした。
ペンス氏の対話集会での主なポイントは以下の通り。
司法省のトランプ氏起訴には反対
ペンス氏は司法省に対し、トランプ氏を起訴しないよう強く要求。そのような起訴は米国内の分断に拍車をかけ、「ひどいメッセージをより広い世界に発信することになる」と述べた。
「何人も法に優越はしない」と明言しつつ、ペンス氏は司法省がトランプ氏による機密文書の取り扱いミスの可能性を捜査する上で起訴に踏み切らずに解決することは可能だとの認識を示した。同省は先週、ペンス氏の弁護士らに対し、同氏の自宅から機密文書が見つかった問題に関して起訴が行われることはないと通告した。
ただペンス氏の場合は直ちに米国立公文書館と連邦捜査局(FBI)に連絡し、文書を返還したのに対し、トランプ氏は自身の機密資料の引き渡しを拒み、昨年5月に文書を巡って召喚状が出てからも全ての機密文書を返還してはいなかった。
CNNは7日、司法省がトランプ氏に対し、機密文書の不適切な処理疑惑を巡る連邦捜査の対象になっていると通告したと報じた。
ペンス氏はFBIによるトランプ氏の自宅での機密文書捜索についても、より良い手段が数多くあったと異議を唱えた。前大統領の自宅が捜索対象となる事例は過去になかった。