ウクライナ軍、「強固な抵抗」に苦戦 ロシア軍の戦線への攻撃で損失被る 米当局者
(CNN) ウクライナ軍が同国東部での戦闘で予想を上回るロシア軍の抵抗に遭い、装備と兵士の損失に見舞われていることが分かった。損失はロシア軍の戦線突破を図る最初の攻撃の中で、過去数日のうちに発生した。高位の米当局者2人がCNNに明らかにした。
米当局者1人は、損失を「相当の規模」と説明。米国が供与した耐地雷伏撃防護車両(MRAP)も複数失われたとした。
ウクライナ軍は東部のバフムート周辺で、ロシア軍の複数の部隊を制圧することに成功した。しかし対戦車ミサイルや手榴弾(しゅりゅうだん)、迫撃砲で武装したロシア軍は「強固に抵抗」。深く掘った塹壕(ざんごう)の中で持ちこたえている。地雷原によってウクライナ軍の装甲車両にも大きな損害が出ている。
どちらの米当局者も、これらの損失がウクライナの計画するより広範な反転攻勢に影響を及ぼす見込みはないと述べた。米国並びに西側の当局者らはかねて、当該の反転攻勢には時間がかかると予想。ウクライナ軍の兵員や装備は西側の供与したシステムを含め、高いリスクにさらされることを想定していた。
ロシア国防省は7日、バフムート近くでのウクライナ軍の攻勢は「阻止されている」と主張。同軍は攻勢の目的を達成できておらず、甚大な損害を被ったとしていた。
ロシア政府はしばしば戦場でのウクライナ軍の損失について誇張して伝えるが、ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、反転攻勢はウクライナにとって厳しい戦いになると認めていた。米紙ウォールストリート・ジャーナルの取材に対し、ウクライナ軍の前進に伴い「非常に多くの兵士が命を落とすだろう」と述べてもいた。