ワグネル反乱 米が詳細な情報収集、大半の同盟国には伝達せず

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軍施設を出発する民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏=6月24日、ロシア・ロストフ州ロストフナドヌー/Alexander Ermochenko/Reuters

軍施設を出発する民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏=6月24日、ロシア・ロストフ州ロストフナドヌー/Alexander Ermochenko/Reuters

ワシントン(CNN) ロシア民間軍事会社ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏による反乱の計画について、米国の情報機関が事前に極めて詳細かつ正確な情報を収集していたことが分かった。ワグネルがどこに、どうやって進軍する計画かも把握していたという。事情に詳しい複数の情報筋がCNNに明らかにした。

ただ、この情報は厳重に秘匿され、英高官など一部の同盟相手にしか共有されなかった。北大西洋条約機構(NATO)の広いレベルで情報が共有されることはなかったという。

情報筋によれば、プリゴジン氏がいつ実行に踏み切るかについては正確に分かっていなかった。ただ、ロシア国防省は今月10日、ワグネルを含む全ての民間軍事会社は7月からロシア軍との契約を強制され、実質的に国防省に吸収されると宣言しており、これを受けてプリゴジン氏は計画実行を決意したとみられる。

米国内でも情報は厳重に秘匿され、報告を受けたのは政権の最高幹部や、機密性の高い情報にアクセスできる連邦議会の有力者8人のみだった。

こうした秘密厳守が原因で、欧州連合(EU)や米政権の一部の高官はプリゴジン氏の攻撃や、ワグネルの部隊の進軍スピードに虚を突かれる形になったという。

一部のNATO当局者からは、情報が共有されなかったことへの苛(いら)立ちの声も出ている。ただ、情報を共有すれば極秘の情報源や手法が損なわれる可能性があったと、情報筋は説明する。

ウクライナの当局者も事前の情報伝達は受けていなかった。これは米国とウクライナの当局者の会話が傍受される可能性を恐れた部分が大きいという。

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