20年2月の会議にスミス氏が関心を寄せていることは、これまで報じられていなかった。ただこのような関心は、同氏が選挙不正を主張するトランプ氏の考えについて、幅広い証言を得ようとしている現状を改めて示唆するものだ。そこにはトランプ氏が選挙の安全性に関して知らされた内容や、理解していた事柄も含まれる。
トランプ氏が米国の選挙に信用を置いていることを内々に表明していたという事実から、検察側は同氏の思考に関する洞察を得られる可能性がある。それにより、本心から選挙が盗まれたと信じているとする同氏の主張が崩れる芽も出てくる。
当該の会議にまつわる証言が示唆するのは、少なくとも20年の初めにおいて、トランプ氏は選挙が安全に実施されるだろうという見解を受け入れていたということだ。同時に自らの抱える専門家たちの助言を聞き入れていたこともうかがえる。
ところが同年4月上旬までに、各州が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて投票ルールを調整する中、トランプ氏は郵便投票を根拠なく攻撃。詐欺的で危険な投票方式だとする虚偽の主張をするに至った。
大統領選で敗れた後も、事実と異なる主張を繰り返した。その内容は、上述のホワイトハウスでの会議で告げられた投票システムの安全性に関する説明と矛盾する。同氏は票の集計機で大規模な不正が行われ、何百万もの票が「削除された」と、事実と異なる主張を展開した。