トランプ前米大統領を起訴、大統領選の結果覆そうとする試み巡り
起訴状の中には、6人の未起訴の共謀者が含まれている。
6人の共謀者の中には、20年の大統領選の結果を覆そうとした匿名の弁護士4人が含まれる。司法省を利用して偽の選挙犯罪に関する捜査を開始し、選挙違反の虚偽の主張を故意に行い州議会に影響を与えようとした匿名の司法省当局者も含まれている。
スミス特別検察官が起訴に踏み切ったことで、選挙後の行動の責任を問うために刑事司法制度が使用できるのかどうかが試されることになる。トランプ氏に対しては連邦議会襲撃後に議会で弾劾(だんがい)の手続きが取られたが、結果は「無罪」だった。
スミス特別検察官によるトランプ氏の起訴はこの2カ月で2度目。6月には機密文書の保管を巡り起訴されていた。3月にはニューヨーク・マンハッタンの大陪審がビジネス記録の改ざんの罪でトランプ氏を訴追していた。
トランプ氏はいずれの事案についても無罪を主張している。今回の罪状認否でも無罪を主張する可能性が高い。
新たな起訴が行われたが、トランプ氏は依然として24年大統領選の共和党指名争いで最有力候補だ。これまでの2度の起訴は大統領選におけるトランプ氏の立場にほとんど影響を与えていない。
「偽の選挙人」の企ては、バイデン氏が正当に獲得した選挙人を違法な共和党の選挙人に置き換えることで選挙人獲得の手続きを覆そうとする前代未聞の試みだった。
主要7州のトランプ氏の支援者が20年12月14日に集まり、偽の証明書に署名。トランプ氏が実際に自分たちの州で勝利し、自分たちも正当な選挙人であると偽りの主張を行った。彼らは、1月6日の選挙人の手続きに際して偽りの主張が認められるとみて、これらの偽の証明書を議会と国立公文書館に提出した。
当時、こうした人々の行動は手の込んだ政治的なコスプレとみなされた。しかし、その後、これが組織的な計画の一部だったことが判明した。