トランプ前米大統領を起訴、大統領選の結果覆そうとする試み巡り
(CNN) 米ワシントンの連邦大陪審は1日、トランプ前米大統領を起訴した。2020年の米大統領選に敗北した後もホワイトハウスにとどまろうとし、大統領権限の平和的な移行という米国の長年の伝統を覆そうとしたことについて、トランプ氏の刑事責任が問われることになる。
トランプ氏は3日午後4時、ワシントンの連邦裁判所に出廷する予定。
スミス特別検察官の捜査の一環として、トランプ氏は、米国をあざむく共謀、公的手続き妨害の共謀、公的手続きの妨害及び妨害の企て、権利に反する共謀の四つの罪に問われた。
起訴状は「20年11月3日の投票日から2カ月以上が経過した後、被告は、選挙結果を左右する不正が行われ、実際には自身が当選したといううそを流布した」と述べた。起訴状は、こうした主張は偽りであり、トランプ氏自身もそれを知っていたと指摘した。
起訴状はさらに「しかし、被告は、ともかく、そうしたうそを流布した。故意に虚偽の主張を正当であるかのように見せかけ、不信と怒りに満ちた雰囲気を作り出し、選挙の管理に対する国民の信頼を損なおうとした」と述べた。
20年の大統領選の結果を覆そうとする試みは大統領の常識を打ち砕き、バイデン大統領の勝利を認定するために開かれていた連邦議会議事堂への想像を超える物理的な襲撃に帰結した。トランプ氏は連邦議会襲撃の前にも、州の選管職員や議員、司法省当局者、さらには自身の副大統領に対して、選挙結果を破棄するよう説得する前例のない圧力を加え続けた。
スミス特別検察官は記者団に対し、「迅速な裁判」を求めると述べ、一般の人々にも起訴状を読むよう促した。
起訴状によれば、トランプ氏と共謀者は1月6日に起きた連邦議会襲撃事件を「悪用」し、議員に対して選挙結果の承認を遅らせるよう説得する取り組みを継続した。
起訴状はまた、トランプ氏は多くの暴徒をだまして、ペンス副大統領(当時)が選挙結果を変更してトランプ氏を勝者にすることができると信じ込ませていたと指摘した。
トランプ氏は、20年の選挙後、自身が間違っていたというあらゆる指摘を否定している。