米、ウクライナに1400億円の追加支援 劣化ウラン弾を初供与
(CNN) 米国のブリンケン国務長官は6日、ウクライナに対して新たに10億ドル(約1400億円)の追加支援を行うと明らかにした。今回の支援には軍事支援や人道支援が含まれる。
ブリンケン氏は訪問先のウクライナ首都キーウで、クレバ外相とともに記者会見に臨み、「現在進行している反転攻勢で、ここ数週間、進展が加速している。今回の新たな支援はそれを維持し、さらに勢いづけるのに役立つだろう」と述べた。
今回の支援の中には米国が以前ウクライナに対して供与した兵器類の補給が含まれている。具体的には、防空システムの部品や軍需物資、弾薬、通信システムなど。これらの兵器は米国防総省の在庫から供与される。
米当局者によれば、支援物資の中に今回初めて、劣化ウラン弾が含まれた。劣化ウラン弾は、原子力発電所のための燃料を製造する際の副産物である高密度の金属から作られているためわずかに放射能を帯びている。今秋にもウクライナに到着する予定の米戦車「エイブラムス」で撃つことができる。
今回発表された支援の5分の1以上にあたる2億ドル余りは透明性や改革、反汚職のための取り組みの強化、法の支配、司法分野に使われる。ウクライナでは今週、汚職をめぐる数々のスキャンダルを受けて、国防相が辞任していた。
米国はまた、透明性に関連する資金を、ウクライナの戦争犯罪の捜査や訴追のための能力、復興へ向けた取り組みへの投資、財務管理の強化に充てる。
人道支援に割り当てられたのは計2億600万ドルで、ウクライナや近隣諸国への避難を余儀なくされている人々への食料や水、避難所などの重要な支援に使われる。9000万ドル余りの地雷除去に特化した支援も実施される。