市販薬の成分フェニレフリン、錠剤では「効果なし」 米FDA諮問委員会
(CNN) 市販の抗アレルギー薬や風邪薬に一般的に配合されている「フェニレフリン」の成分について、米食品医薬品局(FDA)の独立諮問委員会は12日、錠剤の形態では効果がないとの見解で一致した。
フェニレフリンは安全に使用できるとされており、この点は論議にはならなかった。しかしフェニレフリンの効果については多くの医師が何年も前から疑問視する声を上げていた。
FDAの非処方箋薬諮問委員会は11日から2日間の日程で会合を開催。「基準容量を経口投与されたフェニレフリンに鼻の充血除去薬としての効果があることは、現在の科学データで裏付けられているか」との問いについて12日に採決を行い、委員16人の全会一致で「裏付けられていない」との結論を出した。この問題についてこれ以上研究する必要はないとの見解でも一致した。
委員の1人、テキサス大学オースティン医薬品校のダイアン・ギンズバーグ氏は「効果がない製品を流通させるべきではない」と言い切った。
FDAは同委員会の勧告について検討すると表明したが、期間は明らかにしなかった。もしFDAが「一般的に安全かつ有効(GRASE)」とみなしているフェニレフリンの分類変更を決めた場合、関係者はその提案についてコメントし、追加的なデータを提出する機会が与えられる。その間はまだフェニレフリン配合製品の宣伝販売が認められるが、もしFDAが諮問委員会に同意した場合、メーカーはフェニレフリン配合製品の販売中止や成分変更の対応を迫られる可能性がある。
同委員会はフェニレフリンを使用した点鼻スプレー製品については取り上げなかったが、点鼻スプレーについては、少なくとも一時的な効果があるとする研究報告もある。