中国の核弾頭数、予想以上の増強を警戒 米国防総省報告書

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2019年、天安門広場の軍事パレードに登場した大陸間弾道ミサイル/Jason Lee/Reuters/File

2019年、天安門広場の軍事パレードに登場した大陸間弾道ミサイル/Jason Lee/Reuters/File

(CNN) 米国防総省は21日までに、中国の軍事力に関する年次の報告書を公表し、運用可能な核弾頭数は500発以上と以前の予想を上回る水準に達していることに警戒感を示した。

米本土に到達し得る通常戦力の長距離ミサイルの開発を研究している可能性もあると指摘。軍事力の近代化を早急に進めており、太平洋地域の全域、最終的には世界各地域への勢力の浸透を狙う方途とも位置づけた。

陸空海という従来の舞台に加え、核戦力、サイバー空間や宇宙を含めた全ての領域での戦闘能力の向上を試みているとした。

中国は、長距離弾道ミサイルの地下格納庫の建設を3カ所で新たに終えたとも明かした。この措置は、異なる場所から核弾頭を飛ばせる選択肢の強化を狙ったものと読み解いた。

米国防総省高官は、大きな懸念を抱かせる措置と形容。「中国側に望むことは核戦力の構築に関してより透明感がある対応を示すこと」とし、リスクを低減させる問題で米国とより積極的に話し合いを進める姿勢だとも説いた。

今回の23年版の報告書によると、中国は自らの核兵器開発計画で新型炉やプルトニウム製造の加工処理施設も利用している。中国は表向きにはこれらの技術はあくまで平和利用と主張している。

米国は国防戦略の作成で中国を第1の脅威と受け止め、軍事力、経済力や国際社会での影響力の投影で米国と争う能力があると判断している。

中国は近年、沿岸国・地域が主権を争い続ける南シナ海や台湾問題などをめぐって軍事力を交えた威嚇的な行動を強め、南シナ海や東シナ海上空では米軍用機に対する「挑発的」な飛行も目立っているとされる。

米国防総省当局者は高官級の軍事対話に応じない中国側の対応に不満を抱いている。ただ、当局者の1人によると、一部の実務レベルでの接触は保たれている状況にあるという。

その上で、中国の駐在武官を機密扱いでないサイバー戦略の会合に招く努力などはしているとしながらも、米国の観点から言えば、最上級を含めたあらゆるレベルでの意思疎通を絶えず持つことが重要と強調した。

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